こんにちは!
M&Aされた薬局で働いていたオガワです。

M&Aって、そんなに世の中に蔓延しているの?涙
私自身、まさか薬局が売られるなんて!!と信じられず、気持ちの整理がつかない時間もありました。



社長、「一緒に、頑張っていこう!」みたいな感じだったじゃん!!チックショー!!
正直、今の薬局業界の現状や周りの話を聞いていると、今後も薬局の売買は頻繁に起こる可能性が高いと思わざるを得ません。
もしかすると、この記事を読んでくださっているみなさんの中にも、近い将来職場が買収されることになる方がいらっしゃるかもしれません。
そのような状況になった時、すぐに次の行動に移せるよう、今回の記事では調剤薬局のM&Aについてお話ししたいと思います。
今から準備できることもあると思うので、今後の参考にしていただけると嬉しいです。



自分がどうしたいか事前にシミュレーションしておくことは、大切ですよね。
M&Aとは


まず、M&Aについてですが、
M&Aとは「Mergers and Acquisitions(合併と買収)」の略です。



以下、簡単に解説させていただきます。


Mergers(マージャーズ):合併とは、複数の会社を1つの会社に統合させるM&Aの手法です。
合併には新設合併と吸収合併の2種類があります。
【合併】
・新設合併:新たに会社を設立し、消滅する合併対象会社のすべての権利義務を承継させる手法。新設した以外の全ての法人格が消滅する
・吸収合併:存続会社が消滅する会社の権利義務を承継する手法。存続会社の法人格のみが残る


Acquisitions(アクイジション):買収とは、片方の会社がもう片方の会社から事業や会社を買うM&Aの手法です。
買収には株式取得、事業譲渡、会社分割などの手法があります。
今回は、個人経営の薬局のM&Aでよく使われる株式譲渡と事業譲渡について説明します。
【買収】
・株式譲渡:M&Aの売り手企業が発行する株式を取得することで、経営権を獲得する手法
・事業譲渡:企業が運営する事業部門の一部(もしくは全部)を切り離し、買い手企業に譲り渡す手法



株式譲渡の方が手続きが容易で、時間やコストなどを抑えられるメリットがあります。
なぜ調剤薬局のM&Aが増えているのか
では、なぜ近年、調剤薬局のM&Aが増えているのか。
その理由は、主に3つあります。
【調剤薬局のM&Aが増加している理由】
1.少子高齢化社会
2.薬局経営者の高齢化
3.厳しい調剤報酬改定
少子高齢化社会
1つは、少子高齢化により人口増加が期待できないことが挙げられます。



人口が減少すると、実質的に患者さんが減るだけではなく、医療費の財源も少なくなるからね。
さらに近年では都市部への人口集中により、地方での急激な人口減少が見込まれています。
そのため調剤薬局の事業自体、現状維持が難しく今後さらに利益の落ち込みが予想されていることが、M&Aが進む要因の一つとなっています。
薬局経営者の高齢化
また、1974年の医薬分業元年から約50年。
経営者の多くが、世代交代が現実的となる年齢になっています。
身近に後継者がいない場合でも、地域に根差している薬局の場合には閉める訳にもいかず、M&Aの仲介業者に依頼するケースが多くあるようです。



私もM&Aの仲介会社に登録してますが、日本各地の売り案件が毎月メールで送られてきます。
厳しい調剤報酬改定
直近の調剤報酬改定で言うと、マイナスにはならず、微増という結果。
しかし、加算の要件を満たさなければ、いつでもマイナスにもなり得るのが現状です。
そして算定要件も煩雑化しており、モチベーションがしっかりとある経営者でないと、なかなか継続が難しい状態にあります。



よく考えると、改定の都度、対応していくのって大変だよね。
また現在の調剤報酬は、大手調剤薬局やドラッグストアにとって不利な内容であり、個人経営の薬局よりも点数が低くなりやすいのが状況です。



…と、いうことは。(嫌な予感)
大手調剤薬局に勤めていてもM&Aの影響がないとは限らない理由
そう、大手調剤薬局だから、M&Aは関係ねぇ!と思ったみなさん!



残念ながら、少なからず影響はあると言えます。涙
上記でお話ししたように、現在の調剤報酬は大手調剤薬局にとって不利な内容です。
そのため、個人経営の薬局と同じような人員配置をしていると、赤字になってしまう店舗がたくさんあります。
以前は店舗数を増やすことに尽力していた大手調剤薬局も、今は店舗の選定をする段階に入っているのが現状なのです。



もしかすると、今の店舗で働けなくなるかもよ?
M&A薬局の実例と弊害とは
M&Aの実例
では、実際にM&Aされた薬局の実例を紹介します。
case1)大手調剤薬局から個人薬局へのM&A
私が直近で働いていた職場(耳鼻科の門前)は、まさに大手調剤薬局であるア◯◯ファーマシーから、社長が5年前に購入したものでした。



管理薬剤師の給料が高く、あまり利益にならない店舗だったらしいです。
M&A以前に働いていたア◯◯の従業員(薬剤師1名・事務2名)のうち、薬剤師は他店舗へ移動、事務1名は引き抜き、もう1名は退職という形になりました。



みんな、バラバラになってしまうものなのね。
case2)個人薬局から個人薬局へのM&A
そして、ア◯◯から5年前に購入したこの薬局(オガワの勤務場所)は、新たに社長の知人(30代男性)に売られることになります。
この5年で社長は施設の処方箋を獲得し、5年前に購入した時よりも1.5~2倍の金額をつけることができました。



価値を高めて売るっていうのが、最近の流行りらしいです。
case3)個人薬局から大手調剤薬局へのM&A
また派遣で働いていた薬局はその逆で、個人経営の調剤薬局5店舗をク◯◯◯が購入。
この場合は、M&Aまでの引き継ぎ期間として1年間猶予があり、その間に転職するなど今後を考える時間に使って良いということでした。



それで辞めた方がいるので、派遣の募集があった感じです。
M&Aの弊害とは
M&Aになった場合、個人的には何がイヤかと言うと、
購入された会社の雇用条件に変わってしまうことです。



給料も休みもさ。涙
特に給料に関して言えば、一般的には個人経営の調剤薬局の方が、大手に比べて多くもらえます。



正直、それ目当てで選んでるよね。涙
しかしM&Aで大手調剤薬局に買収された場合、前の調剤薬局での給料は考慮されず、大手調剤薬局の給与ベースで算出されてしまうのが大きなデメリットだと思います。



個人間の売買であれば、そのまま引き継いでもらえるケースもあるので、買われる人による感じはありますが。
M&Aにおける薬剤師としての対策
実際にM&Aされた薬局で働くことは、今後の働く姿勢について考えさせられる良い経験になったなと思います。
と、いうのも私自身保守的な性格なので、
「できれば、永遠にこの環境でぬくぬく働きたい!!だってそのための、正社員なんだから。」という気持ちがありました。
しかしM&Aが頻発しているこのご時世、
それは無理なことと知り、
最近ではいつ薬局が買収されても後悔がないよう、今の働き方を見直すことにしました。



自分の中では、
派遣=不安定=給料高い。
正社員=安定=給料安い。
って思っていたのですが、そうともいかないみたいです。
そして今ではM&A時の個人的な対策として、日々の業務の中で3つのことを意識するようにしています。
【オガワ的M&A対策】
1.どこでも働けるマインドでいる
2.スキルを身につける
3.今の状況が当たり前だと思わない



ほぼ精神論だけどね。笑
どこでも働けるマインドでいる
個人的にM&A対策で一番大切なことは、いつでも転職できる心構えでいることだと考えています。
ク◯◯◯の場合は、移行期間というものを設けてくれましたが、実際は1-2ヶ月前に従業員に伝えられることもあります。
その際に「そんなこと言われても困ります!!!」と言い出しても遅く、受け入れるしかありません。
しかし事前に「どこでも働ける」と自信を持っておくことで転職へのハードルが下がり、抵抗なく次の就職先を見つけることができるのではないでしょうか。
M&A後の薬局で継続でも良し、転職でも良しと選択肢が多い方が未来の自分の気が楽だと思うので、大切な心構えだと思います。



ゼッタイにこの薬局に残らなきゃ!!と執着すると、メンタル病みそうじゃないですか。
スキルを身につける
ただ他の場所でも働けるという自信をつけるためにも、自分に何ができるかをしっかりと把握しておく必要があると思います。
そのためには、今いる職場で積極的に働き、何かを得ることが大切だと考えています。



例えば、かかりつけを増やすスキルや在宅の対応、他のスタッフと上手くやれるコミュ力などです。
今の状況が当たり前だと思わない
そしてもしも今、何一つとして不満なく仕事ができていたとしても、それが普通だと思わないこと。
お給料や休みなど待遇面もそうですが、職場の人間関係が良いということも(もちろん、あなた自身が努力されていることもあると思いますが)当たり前ではないかもしれません。
そう思うことで、実際にM&Aされた場合でも「今までが恵まれていたんだな」と自分自身を納得させやすく、社長の判断を受け入れられると思います。



なんか宗教っぽくなっちゃって、ごめん!笑
増える調剤薬局のM&Aに困っています!M&Aの解説と現役薬剤師が考える対策:まとめ
先日、5店舗薬局経営している社長さんと飲みに行く機会があり、M&Aについて聞いてみました。
すると、
「M&A多いよね。オレの会社にも売ってくれないかって業者から電話かかってくるもん。オレが薬局を売ると、まあ薬剤師は良いけど、事務さんは仕事なくなっちゃうからさ。売れないけど。笑」と。



薬剤師も困っちゃうでしょ!!笑
この社長さんは、薬剤師会でも上の立場にいるので、良い意味で意識が高い方だと思います。
しかし、世の中には仲介業者から「高く売れるうちに、売ったほうが良いんじゃないですか?」と、そそのかされて応じる社長も多くいるんだろうなと、その話を聞いて想像ができました。



仲介業者は売るだけで、最低500万~利益出ますからね。あの手この手で営業してきますよね。
実際、自分が働いている薬局が売られることは、ムカつくし悲しいですが、仕方がないことだと思います。



そういう社長だと見極められずに、選んでしまった自分のせいだと思うので。
だからこそ、その時のために私たち雇われる側も、実際にM&Aされた場合に動じないよう、事前に準備をしておくことが大切だと思います。
その一環として、患者さんや薬局のためになる知識を得たり、コミュニケーションスキルを身につけ、他の会社にとって必要とされる人材になること。
それは、今いる環境でも日々の業務で手に入れることができます。
毎日の仕事を通して少しずつ自分の強みを作っていき、他の職場でも働ける自信をつけていきたいですね!



意欲的に働くことは今の薬局にとってもプラスになるしwin-winだね!
私も、がんばるよ。
2025年オガワおすすめの転職サイトはこちら



私は派遣で色々な職場を見てきたことが、良い経験になったと思っています。
1.ファルマスタッフ
サポート能力ナンバーワン!
企業側の内情に詳しいだけではなく、希望があれば面接同行も可能。
オガワは、面接同行+履歴書・職務経歴書を作ってもらったことがあります。(多分結構迷惑かけてるネ、これは・・・)
2.ファルメイト
担当のエージェントの方と、LINEでメッセージのやり取りができるのでお手軽に利用できます。
単発の派遣薬剤師の求人も紹介してもらえるのが魅力的だと思います。



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